「あやす」「あそぶ」で伸ばせ! 赤ちゃんパワー



赤ちゃんが育つうえで、遊びはとても大切。

「遊ぶ」ことにより脳・心・体は刺激され、発達が促されます。
「あやす」のも赤ちゃんを泣きやませるだけの意味ではなく、りっぱな遊び。

大人はそんな遊びをどうサポートしてあげればいいのか、徹底研究してみましょう。



遊びと脳の密接なカンケイ

脳の発達に欠かせない脳内の細胞ネットワーク化。その形成と整理に遊びが役だつ


赤ちゃん時代の脳は、 脳内細胞ネットワークを形成中



シナプスの密度のピークは視覚野が8~9カ月、前頭葉は4~6才ごろ。増えた後、経ることがわかっています。

生まれたての赤ちゃんの脳は、わずか400グラム程度しかありません。ところが6カ月で約2倍、3才で3倍、5才で成人とほぼ同じ重さと、乳幼児期にめざましい変化を遂げます。

でも、脳の発達とは、必ずしも脳の重量が増えることを意味するわけではありません。

この時期、脳内では神経細胞がどんどんほかの神経細胞のとの結びつきを増やしています。

たとえば、ふれる、見るなど刺激を受けると、その刺激はシナプスという神経結合部でほかの神経細胞に伝達され、細胞どうしの連携を深めます。

いわば、脳内で情報のネットワーク化が進むということ。このネットワーク化が、脳の発達にあたるのです。




繰り返し遊ぶことで、 余分なネットワークを整理

神経細胞には長い軸索突起があり、情報の伝達をするのはその先端のシナプスという部分です。

刺激は神経細胞内では電気信号で、シナプス間は神経伝達物質により伝えられます。


ただ、子の神経細胞どうしの結びつきは多いほどいいというわけではありません。

視覚野のシナプス密度のピークは生後8~9カ月ごろで、その後減っていきます。

シナプス密度が高いということはネットワークも多いということですが、それだとかえって、情報交換にムダが生じることがあるのです。


赤ちゃんは何かできるようになると、それを繰り返しますね。

たとえば、手足をバタバタさせる、握ってはなめる・・・赤ちゃんにとって遊びのひとつですが、そんな遊びをしているうちに自然と余分なシナプスは整理され、情報は効率よく伝達されるようになるのです。